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ZEB化費用の検討例

ZEB化費用の検討例

ZEB化を実施すると、
更なる省エネのための追加工事が必要となり、
ほとんどの場合で、工事費等の
イニシャルコストが増加します。

図面

新築の場合

  • ・小規模事務所でZEB Readyを実現した場合、建物全体での費用が約10%増加となる試算あり(※)
  • ・Neary ZEBや『ZEB』の場合は、再エネ設備導入費が追加で必要となります。
  • ※ZEB設計ガイドライン[ZEB Ready・小規模事務所編]より
ビル

既築の場合

  • ・ZEB化のための追加工事分が増額となります。
  • ・例えば、「空調改修」と「照明のLED化」を計画していた施設を、『ZEB』化に変更しようとすると、少なくとも「Low-Eペアガラス」「熱防水」「全熱交換換気」「太陽光発電」の導入費用が追加で必要となります。(以下参照)
表

上記に示したように、ZEB化を実施すると、イニシャルコストが増加するケースが多いです。
しかしZEB化を実施することで、設備導入や工事にかかる費用に補助金が活用できます。
さらに、ランニングコスト削減効果も向上するため、ZEB化を実施したほうが、コストメリットが大きいケースもあります。
以下にZEB化することで、コストメリットが得られた例を紹介します。

津山市総合福祉会館のケース

当初の計画Before

■改修内容
・空調の更新(室外機のみの更新)
■改修費用(実質負担額)
・4,320万円(工事費:4,320万円、補助金:0万円)
※当初計画の内容では、当時、活用できる補助金はありませんでした
■ランニングコスト削減額
・60万円/年(推計値)
■投資回収年数
・72年

実際の内容After

■改修内容
・屋根外断熱、Low-Eペアガラス、高効率空調、高効率換気扇、照明のLED化、BEMSの導入、その他各種センサの導入
■改修費用(実質負担額)
・4,800万円(工事費:9,600万円、補助金:4,800万円)
※補助率2/3の補助金を使用。補助対象とならない工事もあるため、実質の補助金額は約1/2程度であった
■ランニングコスト削減額
・165万円/年
■投資回収年数
・29年

※記載の金額は税込み価格です。

津山市総合福祉会館は、空調機が老朽化し、様々な不具合が生じていたため、「空調の更新」を計画していました。
しかし、この改修費用を負担する津山市からの提案で、ZEB化による全面改修を行うことになりました。
当初の計画である「空調の更新」の費用は4,320万円でした。
当時、この計画に活用できる補助金が無かったため、実質負担額は4,320万円です。
一方、実際に実施した改修工事では、「空調の更新」以外に、「屋根外断熱」「Low-Eペアガラス」「高効率換気扇」「照明のLED化」「BEMSの導入」等が追加となったため、工事費が2倍以上になりました。
しかし、ZEBを達成することで、補助率 2/3の補助金を活用することができたため、実質負担額は、当初の計画に対して、わずか500万円の増加でした。
さらに、ZEB化することで、年間のランニングコスト削減額が100万円以上も増加したため、結果としてZEB化することで、コストメリットも得ることができました。